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カイゴの学校

介護について、現場での体験を交えながら、分かりやすく。

介護のプロが知っておくべき9つの排泄プロセスについて【9コマ目】

おはようございます。本日もどうにか晴れるようですが、

朝はまだどんより曇っています。

 

さわやかな海の画像を貼って、

気分を上げて書いてみたいと思います。

 

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本日のテーマは「排泄プロセス」についてです。

 

 食事介助、入浴介助、排泄介助は、「3大介助」と呼ばれているくらい、ケアの中心に位置づけられるものです。介護の仕事において、“プロフェッショナル”と呼ばれたいのであれば、きちんとした知識と技術を習得し、日々のケアに臨んでほしいものです。

 

さて、皆さんに考えてほしいのですが、「問題なく排泄ができている」といった状態とは、どのような状態でしょうか。その状態がハッキリと定義できない限り、逆の場合の「排泄ができていない」は説明がつかない、ことになりませんか?

 

日頃、自分自身、そして介護の業務を通して、あまりに意識したことがない方も、今記事を読んで、「排泄プロセス」について改めて考えてもらえると嬉しいです。

 

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プロセスとは

例えば、料理で考えてみると分かりやすいかと思います。

「カレーが作れる」ためには、以下のプロセスを踏むかと思います。

 

1. カレーが、どんな食材から出来ているかを知っている

2. 家に、その食材が揃っている

3. 食材の皮をむける

4. 食材を適切な大きさにカットできる

5. 鍋に油をしくことを知っている

6.その油で、どの順番で食材に火を通せばよいかを知っている

7. 水を足して煮込むことを知っている

8. アクが出れば、すくうことを知っている

9. どれくらいで食材にきちんと火が通るのかを知っている

10. 盛り付けをどのようにすれば、美味しそうに見えるか知っている

 

当たり前だろ、といった意見が聞こえそうですが、「カレーが作れる」とは、最低限、上記のようなプロセスをきちんと踏めるということです。ですので、逆に「カレーが作れない」とは、上記プロセスのどれか、もしくは複数ができていないことを意味します。カレーを作れるようにアドバイスするとしたら、どのプロセスができていないのかを見定めて、助言すると良いでしょう。

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9つの排泄プロセスについて

排泄プロセスには、以下の9つがあります。

 

  1. 尿意や便意を感じれる
  2. トイレまで行き、ドアを開閉できる
  3. トイレや便器が認識できる
  4. 衣類(下着)をおろせる
  5. 便器を整え、上手に便器を使える
  6. 排尿、排便ができる
  7. おしりを拭いたりトイレの水を流すという後始末ができる
  8. 衣服を着れる
  9. ベッドや部屋に戻れる

 

詳しく解説していきたいと思います。

 

1. 尿意や便意を感じれる

 これは結構重要です。例えば、認知症の利用者さんが、どうも朝からイライラしている。他の職員に聞いたり、夜勤の方からの申し送りも特にない。こういった場合、「もしかして、排便や排尿ができていないのかも」という場合が多いです。

  認知症の方は、尿意や便意を感じたとしても、それが何の感覚か分からずに、モヤモヤしていることがあります。「少し座ってみましょうか?出ないかも知れませんけどね」と、優しくお声かけすると良いかも知れません。

 

2. トイレまで行き、ドアを開閉できる

 例えば、歩行がフラついており、トイレまで1人で向かうのが困難の方や、ドアの鍵の仕組みに戸惑って、なかなかトイレに座るという状態まで達しない方がそれに当たります。夜間、日中を問はず、トイレドアを何度もガチャガチャとしたり、他の方が入っているマークを認識できない場合もあります。

 

3. トイレや便器が認識できる

トイレまでご自身できたとしても、どこで何をすれば良いかを戸惑われる方もいます。その時は、「ここはトイレですので、ゆっくりとズボンを下ろして、座ってみて下さい」と声かけすると、スムーズに行く場合もあります。

 

4. 衣類(下着)を下ろせる

便座の認識は出来たとしても、「ズボンや下着を下ろしてから、便座に座る」といった箇所が抜けてしまい、そのままの状態でただ便座に座ってみた、という場面も見られます。また、腕が麻痺で動かせない、指がリュウマチで変形している、などの身体的な理由でできないといった方もいらっしゃいます。

 

5. 便器を整え、上手に便器を使える

 簡単にいうと、男性で立った状態で小便をされる方は、便座を上げてできる。また、座ってする場合ですと、お尻を動かすなどして、自身のバランスの保ちやすい位置に重心を合わせられる、といったものです。

 

6. 排尿、排便ができる

なかなかお腹に力が入らず、何分トイレにいても、排尿がないこともあります。また、何のために座っているのかを認識できていない場合もありますので、「ここはトイレですので、便がでるか、少しお腹に力を入れて見てください」と一声かけて見ましょう。

 

7. おしりを拭いたり、トイレの水を流すという後始末ができる

 身体的に、おしりに手が届かない場合や、排便後にお尻を拭くといった行為が抜けてしまっている、といった場合です。また、少し意外だったのは、高齢者の多くの方が、自動でトイレが流れることに戸惑う点です。もう流れてしまっているのに、どこが流すボタンなのかを必死で探している場面をよく見ます。少し脱線しますが、自動で電気の消えるトイレでも、電気のスイッチを探そうと戸惑う姿が何度も見受けられました。

 

8. 衣服を着れる

  身体的にご自身でズボンを上げるなどの行為が難しい場合や、「トイレが終わったら、下着とズボンを上げる」という行為が抜けていた場合が、これに当たります。これは推測でしかありませんが、“下着とズボンを下ろした→今自分は服を脱ぐという行為の途中だ→上着も脱ぐべきだ”といった思考になってしまうからか、トイレで全部の衣服を脱いでしまわれる方もいらっしゃいます。

 

9. ベッドや部屋に戻れる

 身体的な理由から、また排泄後にどう行動すれば分からないといった理由から、ご自身のみでは、トイレから出る、部屋へ戻る、といったことが難しい場合のことです。

 

最後に一言

「あの利用者さんは、排泄ができないから」と、排泄プロセスをひとくくりにしていませんか?どこはできて、どこができていないのか。行為を分解して、できないところをフォローする。それがプロフェッショナルの目線だと私は思います。
 

 Tomorrow never comes !     see,you!
(明日は必ずやってくるとは限らない→今日できることは、今日せよ!) 

 


※排泄に関しては、下記サイトが非常に分かりやすくまとまっていますので、ご紹介。

www.elleair.jp