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カイゴの学校

介護について、現場での体験を交えながら、分かりやすく。

知っておくべき介護認定事情 (家族からの不満編)【2016】【13コマ目】

おはようございます。

早いもので、もう金曜日。あっという間に週末が来てしまいました。

 

このブログは土日はお休みしています。

ですので次回は月曜からとなるため、週をまたいで申し訳ないのですが、

今このタイミングで書いておくべきだと判断したため、

今週金曜→来週月曜の2回に渡り、記させて頂ければと思います。

 

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さて、本日のテーマは、「知っておくべき介護認定事情 (家族からの不満編)」です。

 

「介護認定」というひとつの事柄でも、それを受ける側である利用者本人およびその家族側から見た場合と、認定する側である調査員サイドでは、大きく見え方が違うと思います。とはいえ、改めて、相手側はどういった気持ちなのだろう、という時間や心理的な余裕もなかなかないのが現状かと思います。

 

今回は、福島県会津若松市が行った「平成24年度 要介護認定調査に関するアンケート結果」をもとに、考えていきたいと思います。

http://www.city.aizuwakamatsu.fukushima.jp/docs/2007080903250/files/annke-toH24.pdf

 

要介護認定とは

 

介護保険制度では、寝たきりや痴呆等で常時介護を必要とする状態(要介護状態)になった場合や、家事や身支度等の日常生活に支援が必要になった状態(要支援状態)になった場合に、介護サービスを受けることができる。

この要介護状態や要支援状態にあるかどうか、要介護状態にあるとすればどの程度かの判定を行うのが要介護認定であり、保険者である市町村に設置される介護認定審査会で判定される。

要介護認定は介護サービスの給付額に結びつくことから、その基準については全国一律に客観的に定める。

                                                                          介護保険制度における要介護認定の仕組み

 

 これまた厚労省の文言が、簡潔で分かりやすいですね。聞いた話なので、本当かどうかは分かりませんが、よくお役所が出している「○○白書」という出版物がありますよね?あれって、2、3名で作っているらしいです。もしも本当だとしたら、凄まじい仕事のスピードですよね! 他の案件もかかえながらの作業だと思いますし。

 

要介護認定の流れ

介護認定審査会は、保健・医療・福祉の学識経験者より構成され、高齢者の心身の状況調査及び主治医意見書に基づくコンピュータ判定の結果(一次判定)と主治医の意見書等に基づき審査判定を行う。

                                                                      介護保険制度における要介護認定の仕組み

 

今回の介護認定事情とは、上記赤字の箇所である「高齢者の心身の状況調査」の範囲を差しているものとして、お読み頂ければと思います。

 

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「介護認定」に対する家族からの不満は、大きく次の3つに大別されます。

 

1. 認定結果に対する不満

2. 調査内容に対する不満

3. 調査員に対する不満

 

それでは、順番に見ていきましょう。

 

1.認定結果に対する不満

・歳をとってきて、体の動きが良くなるはずがないのに認定調査は軽く出ている。

・介護度が軽くなって使いたいサービスが使えない。

 

いつもより調子が良い日、もしくは調子が悪い時に前回の調査があったため、その反動の認定結果に現れてしまった。また、前回とは異なる認定調査員だったため、若干の相違があった、ということがあるのかも知れませんね。

 

 介護度には、その度数に応じた点数があり、その点数内でしか介護保険は適用されません。(基本的には) 介護度が下がるとその使える点数も小さくなるため、以前使えていたサービスを使い続けると点数オーバーになってしまうため、止む無く利用停止としてしまう、ことも多く見られます。

 

 以前も書きましたが、社会保障費に余裕はなく、各自治体の財源も然りです。ということは、「利用したいサービス」を介護保険で利用させることも厳しく、「利用しないと生活が成り立たない」レベルの最低限のサービス利用にとどめて頂く、といった意識が国や自治体の中では無意識に働いているのではないでしょうか。

 

  少し厳しい言い方ですが、介護保険の財源などについて、一度でも立ち止まって考えたことがありますでしょうか? 「オレは税金払ってるんだ!」「私は年寄りなのよ!」と言うだけではなく、社会保険の仕組みや介護保険の成り立ちなど、自分から調べてみることをオススメします。

 

 

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2. 調査内容に対する不満

大きな病気は今までに何かしましたか?の質問に対し、毎回同じ事を聞いて申し送りはないの か?病気のことなど何回も話したくない。どうなっているのか。(家族状況や環境などもその度 聞かれる)

 

同じ内容を毎回しているように感じるかも知れないのですが、これには幾つかの意味があるかと思います。

 

・前回の調査内容と相違はないか、あるとすればどこか

・本人がハッキリと覚えているであろう病気を聞いてみることで、他の病気の発見を促す→ex   「○○の病気はもう全然だいじょうぶ。。あ、そうだ! 最近転んでお尻をぶつけたんだった」

・本人に認知症などの進行がないか

 

金銭管理の質問で細かく聞かれて不快だった。(認知症のある対象者が数万円の金額を保持して いるが、何に使っているか?なぜそんな物を買うのか?などと聞かれ家族は不快だった。

 

金銭のことは、すごくデリケートなことですので、もしかすると、調査員のちょっとした配慮が足りなかったのかも知れませんね…。

 

 

3. 調査員に対する不満

立会人の下で、確認調査したが、立会人の話に耳を傾けない。名も名乗らないとの苦情あり。

 

名乗らないと安心できないと思います。時間に余裕がなかったとしても、きちんと挨拶はした方が良いですよね。

 

生活の大変さを知って欲しくて説明したが、途中で話を切られた。

 

 調査員は1日、3〜4件の訪問をし、そしてその報告をパソコンに打ち込んだり、用紙に手書きで記入したりと、時間的に余裕がない状況だと思われます。1件につき、長くても30分〜40分ほどの訪問ではないでしょうか。聞き取らないといけない項目も多岐にわたるため、まずはその項目を埋める情報の聞き出しを優先させたいところが本音です。生活の大変さをお聞きしたくても、仕事だと割り切って、話を切る必要があるかと思われます。

 

聞き取りだけで、特に身体の観察なしで帰ってしまった。

 

これはあり得ないですね。不満をもたれて当然かと思います。

 

自分の法人の通所サービスを勧めたりする。

 

介護認定調査員というのは、市区町村の職員や嘱託職員かと思われがちですが、在宅事業所や介護系企業などの外部に委託していることも多いです。そのためか、上記内容のように、いわゆる営業行為をしてしまうこともあるのでしょうね。

 

最後に一言

いかがでしたでしょうか。介護認定を受けられた方、そのご家族には、何か感じるものがあったかと思われます。次回は、調査員サイドからの不満を見ていきたいと思います。

 

 Tomorrow never comes !     see,you!
(明日は必ずやってくるとは限らない→今日できることは、今日せよ!) 

 

 

アルツハイマー型認知症を予防するために大切な2つのコト【12コマ目】

おはようございます。今日の東京は小雨が降っています。

昨日からなかなか鼻水が止まりませんが、

風邪なのか花粉なのか、検討がつかないでいます。。

 

寒暖の差が激しいこの時期、

皆様も体調のほど、どうぞご自愛下さいませ。

 

さて、本日のテーマは、

アルツハイマー認知症を予防するために大切な2つのコト」です。

 

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アルツハイマー認知症とは

アルツハイマー認知症とは、脳の細胞が変異を起こして、もの忘れ(記憶障害)や判断力の低下などが起こる病気です。アルツハイマー認知症は、認知症の中で最も多くみられます。

[アルツハイマー型認知症]アルツハイマー型認知症とは | エーザイの一般生活者向けサイト

 

上記の引用でも触れているように、認知症の中でも、アルツハイマー認知症の割合が最も多く、例えばアメリカでは、認知症アルツハイマー という認識となっています。

 

アルツハイマー認知症の主な症状

アルツハイマー認知症では、認知症の症状として必ずみられる中心症状と、必ずみられるとは限らない周辺症状が現れます。中心症状とは、もの忘れなどの記憶障害、判断力の低下、見当識障害(けんとうしきしょうがい:いまいつなのか、どこにいるのかがわからなくなる状態)などです。周辺症状としては、妄想(特にもの盗られ妄想)、幻覚、不安、徘徊などが現れます。攻撃的な行動や介護への抵抗などもみられます。

 

中心症状、周辺症状、というコトバについて、学生の皆さんは自身できちんと調べることをオススメします。

 

アルツハイマー認知症の特徴

アルツハイマー認知症では、初期にはもの忘れが徐々に現れ、ゆっくり進むのが特徴です。昔の記憶はよく残っていますが、最近のことは覚えていることができません。

 ゆっくりと進行していく、といった点がアルツハイマー型の特徴です。

 

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予防するために大切な2つのコト

有酸素運動が有効などという説もありますが、科学的に証明された有効な予防法はいまのところありません。

 厚労省の記事でも触れましたが、科学的にコレだ、と証明された画期的な予防法と言うのは残念ながらありません。しかし、私が多くのアルツハイマー型の認知症の方と接し、ご本人やその家族から、これまでの生活スタイルをお聞きしたことを合わせていくと、下記2点が、予防する上で大切なコトではないかと考えるようになりました。

 

 規則く正しく睡眠をとること

睡眠とアルツハイマー病の関係を研究しているアメリカのワシントン大学の研究グループによると、睡眠効率が悪い人は最大で5倍以上も初期のアルツハイマー病になる可能性が高いとされています。

 

一般に、高齢になるほど睡眠の質が低下し、睡眠障害を起こす人が多くなります。また同時に、βアミロイドやタウなどが蓄積しやすくなり、アルツハイマー病を発症するリスクも高くなります。睡眠障害アルツハイマー病とは、どちらが先に生じるのかはまだ判明していませんが、相乗的な関係にあるものと考えられています。

 

アルツハイマー病の予防は運動と睡眠で | はじめよう!ヘルシーライフ | オムロン ヘルスケア

 

上記サイトでも書かれていますが、「睡眠」をとることが大切です。しかし、例えば8時間とれば、いつでも良いとは私は考えません。夜の10時頃寝て、朝6時頃起きる、このような、人間の元々のリズムとして組み込まれている時間帯に睡眠をとることが大切だと思っています。 

 

  日勤や夜勤を繰り返していた元看護師の方。学生寮の管理人をされており、昼夜を問わず、呼び出される方。考えることややるべきことが多すぎて、夜中も十分に寝ることができない中小企業の社長さん。午前1時起きが基本であるが、緊急の仕事が多すぎて、いつ寝れるか分からない元ニュースキャスターの方 etc

 

 飲酒や喫煙歴、食生活など、いろいろな項目に着目して、認知症の方と接してきましたが、「規則正しい睡眠がとれていたか」このポイントが一番の分かれ道になるかと思いっています。  

 

糖尿病に注意してみる

アルツハイマー病と糖尿病というと、まったく別の病気と思われる方が多いかもしれません。ところが高血糖状態が続くと、アルツハイマー病を合併しやすいことが、さまざまな研究から判明しています。

 

高血糖がアルツハイマー病を引き起こす仕組みはまだ確定されていませんが、高血糖による酸化ストレスの増加や、インスリン分解酵素の活性低下によるβアミロイドの蓄積などが指摘されています。

 

アルツハイマー病の予防は運動と睡眠で | はじめよう!ヘルシーライフ | オムロン ヘルスケア

 

 「オリーブオイルを用いた地中海料理が良い」と一度は耳にした方がいるかも知れないのですが、そういったキャッチーな流行りのフレーズよりも、「糖尿病にならない食生活」をベースに食生活を組み立てた方が良いでしょう。

 

 私の以前の記事で介護に関わるコトバについて調べた際、「認知症」と「糖尿病」が関連のあるワードに挙がった、という点からも、今後ますます、認知症⇔糖尿病の情報が増えていくことと予想されます。

 

最後に一言

疲労回復や、アルツハイマー認知症の予防、その他いろいろなコトに重要な「睡眠がもたらす回復力」。もっと深く、睡眠の効果について学んでいきたいと改めて思いました。

 

Tomorrow never comes !     see,you!
(明日は必ずやってくるとは限らない→今日できることは、今日せよ!) 

 

厚生労働省は「認知症」についてこう考えている【11コマ目】

おはようございます。

今日は起きた時から、寒気がして、くしゃみが止まりません。

久しぶりに風邪を引いたのかも知れませんが、

ゆっくりと書いていきたいと思います。

 

 

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認知症」で検索すると、あらゆる団体や企業が作成した「認知症情報サイト」が検索上位に来るかと思います。全てに問題があるとは思いませんが、そういった情報サイトの大きな目的は、自社サイトへのトラフィックを集めることであるため、「なんとなく、そうだと思ってくれそう」「可能な限りわかりやすく単純化しよう」「流行りのワードを入れて作ろう」などのコンセプトが先に来てしまうため、情報の信憑性は、若干低いこともあると思われます。

 

 今回は、基本に立ち戻り、「厚生労働省」のサイトに載っている情報をベースに、書いていきたいと思います。

 

認知症とは

認知症とは「生後いったん正常に発達した種々の精神機能が慢性的に減退・消失することで、日常生活・社会生活を営めない状態」をいいます。

認知症|疾患の詳細|専門的な情報|メンタルヘルス|厚生労働省

 短いフレーズで、簡潔に定義しているんですね。さすが厚労省。この定義をそのまま大学の学生用にテストに出しても良いと思います。福祉系の学生は、是非、暗記してみて下さい。

 

認知症の診断基準

 

 今日、認知症の診断に最も用いられる診断基準のひとつが、アメリカ精神医学会によるDSM-IVです。各種の認知症性疾患ごとにその定義は異なりますが、共通する診断基準には以下の4項目があります。

  勘違いされる方もいるのですが、認知症は後天的な原因により生じる知能の障害なのです。その点から、知的障害(精神遅滞)とは異なります。

 

DSM-Ⅳによる認知症の診断基準

 

  • 1.多彩な認知欠損。記憶障害以外に、失語、失行、失認、遂行機能障害のうちのひとつ以上。
  • 2.認知欠損は、その各々が社会的または職業的機能の著しい障害を引き起こし、病前の機能水準から著しく低下している。
  • 3.認知欠損はせん妄の経過中にのみ現れるものではない。
  • 4.痴呆症状が、原因である一般身体疾患の直接的な結果であるという証拠が必要。

 

 認知症の原因

認知症の原因としてはアルツハイマー病が最も多いとされますが、様々な疾患が認知症の原因になりえます。とくに、中枢神経系に病巣をもつ次の疾患が代表的です。

 

認知症は「症状」なのです。その「症状」が何由来のものであるのか、きちんと理解することが大切です。介護職員の中には、「あの人は、もともと怒りっぽい人だから」と、その症状を利用者さんお性格に帰結させてしまう人も多く見られます。

 

中枢神経系に病巣をもつ代表的な疾患

 

 原因・発症の要因

多くの認知症性疾患では、その原因は不明です。しかし、脳血管性のものは比較的わかりやすく、アルツハイマー病についても、確定したわけではないものの深く研究されています。 

 

 テレビやマスコミでは、「この商品が認知症に効く」「予防するには、この食べ物が一番」と煽っているのが目につきますが、厚労省的には、それは十分なエビデンスがあるとは言えない、といったスタンスなのが、この文言を見ても理解できると思います。 

 

最後に一言

今回の記事で参考にした厚労省のサイトですが、以下にあるように、数年前に作られているため、知見が最新でない場合もあると思います。

当サイトは、「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」報告(平成21年9月)や、「自殺・うつ病対策プロジェクトチーム」のとりまとめ(平成22年5月)を受けて、平成22年9月に開設されました。また、平成22年度の事業では、より多くの方たちに親しみやすく、分かりやすいサイトを目指し、新規の情報を掲載するなどの改善拡充を行いました。  

 

 それでもあえて紹介したのは、厚労省のような、「いわゆるきちんとした組織は、どう考えているのか」そこに立ち戻って、情報を考え直してみることが大切だと思うからです。皆さんも、定期的に立ち戻ることをオススメします。

 

 Tomorrow never comes !     see,you!
(明日は必ずやってくるとは限らない→今日できることは、今日せよ!) 

 

 

 

イメージと現実はこんなにも違う!「介護が必要になった原因」の第1位はコレだ!【10コマ目】

おはようございます。今日も少し寒いですが、晴れていますね。

天気も良いので、今日は午後、多摩川でランニングでもしようかと思っています。

 

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 さて、本日のテーマは「介護が必要になった原因を知る」です。何がきっかけで、介護が必要になり、介護保険サービスを利用することに至るのか。

 

 施設で働いている職員ですと、施設に来るまでの細かいプロセスを見ることができないため、介護が必要になった原因を意識することは少ないでしょう。

 

 また、施設に入るということ自体が、「在宅で介護をするのは厳しいと家族やケアマネが判断を下した結果」という、介護生活の最終地点に位置づく場合も多いこともあり、介護スタート時から、だいぶ時間が経っていることもあるため、「介護が必要になった原因」を施設職員が直接うかがう機会がない、イコール、介護がが必要になった原因をほとんど知らない、とも言えるかと思います。

 

 

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 80歳を迎えたアナタは、今、介護を必要としています。どういったことが、原因でしょう。いくつ、思い浮かぶでしょうか。イメージと現実のズレ、個人の体験と、地域全体&日本全体のズレを修正していきましょう。

 

介護が必要になった主な原因とは?

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要介護者等について、介護が必要になった主な原因についてみると、「脳血管疾患」が21.5%と最も多く、次いで、「認知症」15.3%、「高齢による衰弱」13.7%、「関節疾患」10.9%となっている。男性の「脳血管疾患」が32.9%と特に多くなっている

3 高齢者の健康・福祉|平成26年版高齢社会白書(全体版) - 内閣府

 

 私自身、介護に関してよく知らなかった頃には、イメージだけが先行しており、「高齢になると、足腰の筋力が低下してしまい、寝たきりになってしまう。そうなってくると介護が必要になってくる。」という認識でした。

 

 定年後にジムに通うことで、カラダを鍛え、そうすれば寝たきり防止になるだろう、と考えている中高年の方も多いのではないでしょうか。「私はしっかり準備しているのだから、大丈夫。」と。

 

 しかし、数字で見てみると、じつは違うことが一目瞭然です。介護が必要になる原因のトップは、「脳血管疾患」なんですね。食生活の改善や運動などで、ある程度カバーすることはできるかも知れませんが、いつそうなるのか、その予測は極めて難しいです。

 

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 では、何もできないのか。そうではありません。元気な今のうちから、少しでもシュミレーションをして見ましょう。もしも、自分自身に介護が必要となった場合、どのような1日を過ごすことになるのか。過ごしたいのか。地域のどのような方々と、付き合うことになるのか。家族は?お金は?住む場所は?

 

そのようなシュミレーションに役立つ情報を、今後も掲載していきたいと考えています。ファイナンシャルプランナーの方が「老後の資産計画」を立てるお手伝いをするように、私も「介護が必要になった場合の生活設計」をお手伝いできればと思っております。

 

今後、100コマ目を目安として、そのようなサービスの開発も立ち上げて行く予定です。また、介護福祉士の国家資格に関して、どういったポイントを抑える必要があるのかを勉強会などを開催し、アドバイスして行くことも考えています。

 

 Tomorrow never comes !     see,you!
(明日は必ずやってくるとは限らない→今日できることは、今日せよ!) 

 

 

 

介護のプロが知っておくべき9つの排泄プロセスについて【9コマ目】

おはようございます。本日もどうにか晴れるようですが、

朝はまだどんより曇っています。

 

さわやかな海の画像を貼って、

気分を上げて書いてみたいと思います。

 

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本日のテーマは「排泄プロセス」についてです。

 

 食事介助、入浴介助、排泄介助は、「3大介助」と呼ばれているくらい、ケアの中心に位置づけられるものです。介護の仕事において、“プロフェッショナル”と呼ばれたいのであれば、きちんとした知識と技術を習得し、日々のケアに臨んでほしいものです。

 

さて、皆さんに考えてほしいのですが、「問題なく排泄ができている」といった状態とは、どのような状態でしょうか。その状態がハッキリと定義できない限り、逆の場合の「排泄ができていない」は説明がつかない、ことになりませんか?

 

日頃、自分自身、そして介護の業務を通して、あまりに意識したことがない方も、今記事を読んで、「排泄プロセス」について改めて考えてもらえると嬉しいです。

 

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プロセスとは

例えば、料理で考えてみると分かりやすいかと思います。

「カレーが作れる」ためには、以下のプロセスを踏むかと思います。

 

1. カレーが、どんな食材から出来ているかを知っている

2. 家に、その食材が揃っている

3. 食材の皮をむける

4. 食材を適切な大きさにカットできる

5. 鍋に油をしくことを知っている

6.その油で、どの順番で食材に火を通せばよいかを知っている

7. 水を足して煮込むことを知っている

8. アクが出れば、すくうことを知っている

9. どれくらいで食材にきちんと火が通るのかを知っている

10. 盛り付けをどのようにすれば、美味しそうに見えるか知っている

 

当たり前だろ、といった意見が聞こえそうですが、「カレーが作れる」とは、最低限、上記のようなプロセスをきちんと踏めるということです。ですので、逆に「カレーが作れない」とは、上記プロセスのどれか、もしくは複数ができていないことを意味します。カレーを作れるようにアドバイスするとしたら、どのプロセスができていないのかを見定めて、助言すると良いでしょう。

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9つの排泄プロセスについて

排泄プロセスには、以下の9つがあります。

 

  1. 尿意や便意を感じれる
  2. トイレまで行き、ドアを開閉できる
  3. トイレや便器が認識できる
  4. 衣類(下着)をおろせる
  5. 便器を整え、上手に便器を使える
  6. 排尿、排便ができる
  7. おしりを拭いたりトイレの水を流すという後始末ができる
  8. 衣服を着れる
  9. ベッドや部屋に戻れる

 

詳しく解説していきたいと思います。

 

1. 尿意や便意を感じれる

 これは結構重要です。例えば、認知症の利用者さんが、どうも朝からイライラしている。他の職員に聞いたり、夜勤の方からの申し送りも特にない。こういった場合、「もしかして、排便や排尿ができていないのかも」という場合が多いです。

  認知症の方は、尿意や便意を感じたとしても、それが何の感覚か分からずに、モヤモヤしていることがあります。「少し座ってみましょうか?出ないかも知れませんけどね」と、優しくお声かけすると良いかも知れません。

 

2. トイレまで行き、ドアを開閉できる

 例えば、歩行がフラついており、トイレまで1人で向かうのが困難の方や、ドアの鍵の仕組みに戸惑って、なかなかトイレに座るという状態まで達しない方がそれに当たります。夜間、日中を問はず、トイレドアを何度もガチャガチャとしたり、他の方が入っているマークを認識できない場合もあります。

 

3. トイレや便器が認識できる

トイレまでご自身できたとしても、どこで何をすれば良いかを戸惑われる方もいます。その時は、「ここはトイレですので、ゆっくりとズボンを下ろして、座ってみて下さい」と声かけすると、スムーズに行く場合もあります。

 

4. 衣類(下着)を下ろせる

便座の認識は出来たとしても、「ズボンや下着を下ろしてから、便座に座る」といった箇所が抜けてしまい、そのままの状態でただ便座に座ってみた、という場面も見られます。また、腕が麻痺で動かせない、指がリュウマチで変形している、などの身体的な理由でできないといった方もいらっしゃいます。

 

5. 便器を整え、上手に便器を使える

 簡単にいうと、男性で立った状態で小便をされる方は、便座を上げてできる。また、座ってする場合ですと、お尻を動かすなどして、自身のバランスの保ちやすい位置に重心を合わせられる、といったものです。

 

6. 排尿、排便ができる

なかなかお腹に力が入らず、何分トイレにいても、排尿がないこともあります。また、何のために座っているのかを認識できていない場合もありますので、「ここはトイレですので、便がでるか、少しお腹に力を入れて見てください」と一声かけて見ましょう。

 

7. おしりを拭いたり、トイレの水を流すという後始末ができる

 身体的に、おしりに手が届かない場合や、排便後にお尻を拭くといった行為が抜けてしまっている、といった場合です。また、少し意外だったのは、高齢者の多くの方が、自動でトイレが流れることに戸惑う点です。もう流れてしまっているのに、どこが流すボタンなのかを必死で探している場面をよく見ます。少し脱線しますが、自動で電気の消えるトイレでも、電気のスイッチを探そうと戸惑う姿が何度も見受けられました。

 

8. 衣服を着れる

  身体的にご自身でズボンを上げるなどの行為が難しい場合や、「トイレが終わったら、下着とズボンを上げる」という行為が抜けていた場合が、これに当たります。これは推測でしかありませんが、“下着とズボンを下ろした→今自分は服を脱ぐという行為の途中だ→上着も脱ぐべきだ”といった思考になってしまうからか、トイレで全部の衣服を脱いでしまわれる方もいらっしゃいます。

 

9. ベッドや部屋に戻れる

 身体的な理由から、また排泄後にどう行動すれば分からないといった理由から、ご自身のみでは、トイレから出る、部屋へ戻る、といったことが難しい場合のことです。

 

最後に一言

「あの利用者さんは、排泄ができないから」と、排泄プロセスをひとくくりにしていませんか?どこはできて、どこができていないのか。行為を分解して、できないところをフォローする。それがプロフェッショナルの目線だと私は思います。
 

 Tomorrow never comes !     see,you!
(明日は必ずやってくるとは限らない→今日できることは、今日せよ!) 

 


※排泄に関しては、下記サイトが非常に分かりやすくまとまっていますので、ご紹介。

www.elleair.jp

 

介護に関わるコトバを「見える化」してみたら、こうなった【8コマ目】

おはようございます。

今週は朝の打ち合わせが珍しく多くて、

本日も、これから東銀座に向かいまして、打ち合わせです。

朝の満員電車が嫌いなので、少し早めに出ることにします。

(明日、明後日は土曜日曜ということで、記事のアップはお休みとなります。)

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さて、本日のテーマは、

介護に関わるコトバの「見える化」についてです。

 

twitterfacebook、instagfamといったソーシャルメディア全盛期の時代に、

介護のコトバは、どうつながっていこうとしているのか。

 

学生であれば、この記事をヒントに卒論を書くことも可能かも知れないですね。

それでは、行ってみましょうー!!

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コトバの見える化について

 WEBデザインの世界では、「インフォグラフィックス」が盛り上がっているかと思いますが、介護や福祉業界においても、その必要性は今後高まってくるでしょう。その一つとして、コトバの見える化を始めていきたいと思います。

 

インフォグラフィックスとは

インフォグラフィックスとは情報やデータをを視覚的に表現したものです。情報を素早く簡単に表現したい場面で用いられ、私たちの身の回りにある路線図や会議での資料、学校の教科書などなど、様々な形で目にする事があるかと思います。

視覚的に情報を伝える!実例で見るインフォグラフィックスの魅力 | Webクリエイターボックス

 

今回はどのように行っていくのか

Hashtagify」について

『Hashtagify』は、ハッシュタグの検索ボリュームを視覚化するサービスで、なんと、無料で使えます!

 

twitterinstagramなどのいわゆるソーシャルメディア内では、ハッシュタグ「#」といったタグ付けをすることが頻繁に行われています。簡単に説明すると、つぶやいた情報やアップした情報が、どういったカテゴリーのものかを後で串刺し検索できるように、タグを付けることで分類しているんですね。

 

右上の検索窓に気になるハッシュタグのキーワードを入力するだけ。画面は英語ですが、ちゃんと日本語でも検索できます。

 

日本語も使用できますので、かなり便利なWEBサービスです。

 

このように入力したキーワードの検索ボリュームが表示されます。関連するキーワードも同時に表示されるので、ボリュームの大きい関連キーワードが簡単に見つけられて、複数ハッシュタグを付けるのにも便利です。

 

今回は、この関連キーワードをもとに、介護に関わる7つのコトバを「見える化」していきましょう。

 

1. 「介護」について

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やっぱり関係が深いんだなと、事前に予測されるキーワードが挙げられていますが、注目してほしいのは、「介護士」よりも「看護師」の円の方が大きく、つまりキーワードとして関連が深い、とのことです。

 

 

2. 「認知症」について

 

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「ブログ」というキーワードも大きく、認知症関連のブログを書かれている、もしくはその内容のブログを探している方が多くいらっしゃることが予測されます。また、「糖尿病」「透析」というキーワードからは、認知症の発症との関連性があるのか調べてみた方や、認知症でかつ糖尿病を患っている方も多いのではという仮説が立ちます。

 

3.「福祉」について

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京都府では、高齢者や障害者をはじめ全ての人々が安心して快適に生活できるまちづくりを実現するため、平成7年に「京都府福祉まちづくり条例」を制定し、福祉まちづくりを推進しています。

 京都府福祉まちづくり条例では、多くの方が利用する施設等のバリアフリー化とともに、多様な人が互いを理解し、共に支え合う「こころのバリアフリー」も推進しています。

京都府福祉のまちづくり/京都府ホームページ

「京都」が関連キーワードに上がるのは、もしかすると他にも理由があるやも知れませんね。

 

4.「在宅介護」について

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「睡眠介助」というキーワードがひっそりとありますね。就寝前の空腹は、睡眠の妨げになること、などの知識に関して、在宅介護と関連がある、ということですかね。

 

5. 「高齢者」について

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 このキーワードでも「京都」とつながりが強いようですね。介護、福祉業界を目指す学生は、まずは京都府京都市の行った福祉政策に着目して勉強してみるのも良いかも知れないですね。

 

6. 「デイサービス」について

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ばあばヘルプ」というキーワードを初めて目にしたので、気になって調べたところ、デイサービスの口コミ検索サービス、だということが判明しました。

 

7. 「介護保険」について

 

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ここでも「透析」や「血糖値」などが関連キーワードとして挙がっていますね。どうやら介護サービス利用者と「糖尿病」は予想よりも密接に関わっているんですね。

 

最後に一言

いかがだったでしょうか。今回は、「介護」「認知症」「福祉」「在宅介護」「高齢者」「デイサービス」「介護保険」の7つのコトバに絞って、「見える化」を行ってみましたが、これだけも、意外と気づく点は多いかと思います。

 

  例えば、卒論に活かす方法として「このコトバから連想されるコトバにどんなものがあるのか?」といった事前アンケートをとっておき、可能であればグルーピングをしておく。そして、上記サービスを用いて出てきた結果との違いについて、考察を行う。100語くらいのコトバをやってみると、非常に興味深い結果が出るかと思います。

 

Tomorrow never comes !     see,you!
(明日は必ずやってくるとは限らない→今日できることは、今日せよ!) 

元介護職員が「川崎の有料老人ホーム連続転落死」について思うこと【7コマ目】

おはようございます。今日は1日天気も悪いようですね。

カラダが少し冷えているので、ブラックコーヒーを飲みながら書いてみます。

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 いつもは、ある程度の構想を練っておいたものを朝まとめる、といったスタイルでブログを投稿しているのですが、今日は、ゼロから調べ、書いていきたいと思います。朝から、暗いニュースを調べるのも正直シンドイですが、いつか向き合わなければと思っていたので、本日、トライしてみようと思います。

 

川崎・老人ホーム連続転落死について

お年寄りが相次いで転落死したのは、二〇一四年十一月三日~十二月三十一日にかけて。岩本社長は、一件目の転落死を事故と認識し、二件目も「事件とは想像できなかった」。三件目が起きた後の一五年一月、サポートシステムは今井隼人容疑者=殺人容疑で逮捕=ら職員に運営会社として聞き取りをしたが、説明に違和感は感じられず「性善説で職員を見ていた」と岩本社長。今井容疑者は一件目と三件目の第一発見者。そんな不自然な点があったのに、深く追及しなかった。その後、相次ぐ転落死に職員から「気持ち悪い」などと不安の声が上がり、取りあえず、施設内の不安感を解消するため同月、今井容疑者を当直から外した。岩本社長は「運営を施設にまかせることが多く、本社の関与が少なかった。甘く見た」と悔やんだ。

東京新聞:川崎・老人ホーム連続転落死 警察・運営側「事件」見抜けず後手:社会(TOKYO Web)

 

普通は、このような大きな事件や事故でなくとも、必ず「事故報告書」を記載し、それを上長もしくは管理者に提出します。提出前、もしくは提出後に、ユニットの職員あるいは、施設職員全員を集めたミーティングが開かれ、事故はなぜ起こったかを検証します。そして、どこを改善していくのか、具体的な行動に落とし込めるよう考え、共有します。この施設は、そのようなことをキチンと行ったのでしょうか。もしくは、あまりにも人員不足が深刻であり、そのような時間が持てなかったのでしょうか。どちらにしても大きな問題です。

 

運営元 : 株式会社メッセージについて

https://valuationmatrix.com/api/chart?tickers=2400&w=500&h=500&y=%E5%A3%B2%E4%B8%8A%E9%AB%98%E5%90%88%E8%A8%88&yunit=%E7%99%BE%E4%B8%87%E5%86%86&ytype=bar&y2=%E5%96%B6%E6%A5%AD%E5%88%A9%E7%9B%8A&y2unit=%E7%99%BE%E4%B8%87%E5%86%86&term=20

以下、財務分析サイトより、株式会社メッセージに関するコメントを引用します。

「無形固定資産」の割合が多い企業です。IT・ソフトウェアへの投資に活発な企業や、M&A事業を拡大している企業に多くこの傾向が見られます。

 

介護系企業としては、日々の記録をパソコン入力にし、作業効率を図っていた、という努力はしていたかも知れません。逆に、人員不足は必然であるというスタンスから、IT面への投資を強化することで対応した、という見方もできます。

 

 少し話はそれますが、介護系企業のアナログさに、他業界から入って来られた方は驚きを隠せません。例えば、日々の利用者の様子を書いた「申し送りノート」。未だに、ノートに鉛筆やペンで書き込む、それを共有するスタイルをとっている所は多いです。

 私がユニットリーダーであった頃、他のメンバーの同意を得て、全てエクセルへの打ち込みへと換えました。「大切な情報が詰まったノートが1冊しかなく、誰でも見れる状態になっている。万が一なくなった場合どうするのか」リスクをヘッジする必要性を説き、1年の移行期間を経て、すべてEXCELへの入力へと変更となりました。

 

すいません、話を戻します。

 

積極的な投資は控えており、成長は一段落したようです。

 

レポートではオブラートにそう書いていますが、正直、人員に限界があったものと思われます。施設では、立ち上げから半年〜1年すると施設長が代わってしまうことがよく見られます。新たにできた施設へと赴き、そこでベースを作ったら、また次への繰り返しです。そういった“企業的に使える人材”の確保が、追いつかなかったのでしょう。

 

有料老人ホーム『Sアミーユ川崎幸町』の職場環境について

川崎幸町とは別の『Sアミーユ』で以前働いていた女性介護士が証言する。「スタッフが人手不足というのは日常茶飯事。常に募集は出していました。手が回らず、入居者を放置することもしばしば。結果として部屋に閉じこもりがちに……。夜勤では47人を2人でみるんです」

川崎の老人ホーム転落死、元職員が実態を激白 別施設で「性的虐待も」 - ライブドアニュース

 

この証言は、事件の起きた施設ではないのですが、同じSアミーユ系列として、たいへん参考になるものだと思います。例えば、グループホームですと、1ユニット9名の利用者を1名の職員が夜勤対応します。また、特別養護老人ホームですと倍になり、2ユニット20名ほどを1名の職員で夜勤対応します。グループホーム認知症の方のみで構成されていますので、その分、人数は特養よりも手厚くなっているんですね。

 

 2時間に1回ほどオムツ交換や朝食の準備、排泄介助など、本当に細かく時間を組み立てないと、夜勤を乗り切ることは難しく、まして階違いの47名を2名の職員で対応することは、どんなに仕事のデキる人でも無理ですし、かなりの確率で事故が予測されますので、逆に絶対にしてはいけないレベルです。

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介護職員の給与について

メッセージの営業利益率は9.3%で、ライバル他社を上回る。それは介護職員の給与が業界平均より低く抑えられていることによる。

(3ページ目)転落死続出の「虐待」老人ホームのトンデモ実態!職員の年収3百万円台、高い離職率… | ビジネスジャーナル

  施設という箱の大きさが決まっている、ということは、入居者数に上限がある訳で、そこで利益を出すとすれば、経費を削るしかなく、それはほぼイコール、人件費を削るということになってしまいます。そこまでは、どの施設も同じでしょうが、その人件費の削り方が他社よりも凄かったのでしょう。

 

メッセージのSアミーユ川崎幸町は頭金なしで、食費や光熱費を含めた月額22万円という超安値で入居者を集めていた。頭金なしなら月額30万円、月額22万円なら頭金は500万円以上必要になるのが、業界の常識となっている。低価格を売りに入居者を集めるが、低賃金などを理由に離職率も高い

(3ページ目)転落死続出の「虐待」老人ホームのトンデモ実態!職員の年収3百万円台、高い離職率… | ビジネスジャーナル

 

 離職率、という言葉が書かれていますが、仮に新しい施設が職員を募集しオープンしたとして、どれくらいが1年後もいると思いますか?これは、私だけではなく、他の介護関係者との話し合いでも合致したのですが、パートと正職員を含めて、50%は、1年以内にいなくなります。3年も経つと、オープニングにいたスタッフが丸々入れ替わるということもザラです。

 

 経験者は、それを理解していますので、例えばオープニングの際、初めて介護の仕事をされ、ウキウキな雰囲気で「頑張っていこうねー!」という方々を見て、冷静に、「この中から、半年後も残るのは誰何だろう」と思ったりもします。

 

 経験者がそう思う、ということは、言わずもがな、施設の管理者、企業サイドも当然それを意識しており、年間の予算管理の中に、定期的な求人費は、もちろん折り込み済みです。悪意を込めて書くとすれば、「お前らが、だいたいどの時期に、どれくらい辞めるかは分かっている。辞めたら、すぐ次の人員を確保すればいいだけ」と、超短期的な視点で考えている場合も多く、教育の意識は低いのが現状だと思われます。

 

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元職員の今井隼人容疑者について

今井容疑者は「高齢者をベランダから投げ落とし転落死させた」と供述している。飯山氏は過酷な労働環境に“耐えかねて”認知症高齢者を虐待したと話したが、その労働環境が殺害の動機になったとすれば、常軌を逸している。労働のストレスや施設への不満だけでは、殺人という一線は越えられないはずだ。そこには、なにか別の背景があったのではないか。

川崎の老人ホーム転落死 容疑者は「死の予言」を的中させていた? - ライブドアニュース

 

遠回しな表現ですが、この事件が起こった背景を、今井隼人容疑者個人に負わせようとしているような気がしてなりません。「状況」と「個人」が深く絡み合って、「行動」が起こるものだとするならば、今井容疑者の未熟な精神状態よりも、「状況」にフォーカスすることを優先させるべきです。再発を防ぐためには、「状況」の改善が急務です。

 

過酷な労働環境に“耐えかねて”認知症高齢者を虐待」といった箇所ですが、この過酷な環境は、正直、体験したことがないと決して共感できないレベルかと思います。

 

例えば、深夜のナースコールの呼び出し。部屋を訪れ、要望に答えたとしても、1分ごとに再度ナースコール。「朝食はまだなの?」と、ナースコールに起床した、もう1人の利用者。さらにトイレの最中だった利用者から「今日はもう帰ります」宣言。ゴン、と聞こえて駆けつけてみると、室内での転倒。原因は居室での排便に、足をすべらせた模様。未だ鳴り続けるナースコール。「帰ります」との入口のドアを叩く音。まだスタートできていない朝食の準備。排便のための居室の清掃 etc 

 

もちろん、ある程度の深夜の利用者さんの行動はパターン化されるため、先読みすることは可能ですが、入職すぐや、オープニングから間もない頃は、予測不能な日が続きます。今井容疑者は、先読みして考えることで改善が図れないほどの環境にいたのでしょう。

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最後に一言

同じような事件は今後も起こる

大変ネガティブな予測なのですが、このような事件は、まだまだ起こると思われます。一番の理由としては、企業の顧客である、「高齢者層は、今後も増え続けるから」です。

 

また少し脱線するのですが、重要なことなので。

 

私が以前、リクルートの方と話した時のことです。

「なんで、介護業界のデザインって、あんなにダサいんですかね??」「それは簡単なことだよ。競合がいないから、だよ。競合がいないから、差別化する必要がない。だから、デザインはダサくて良いんだよ。」

なるほど、と私は納得しました。

 

この会話はデザイン論の内容でしたが、こうも書き換えることができます。

「高齢者はいまだ増加中であり、競合がいないから、差別化する必要がない。だから、どこも時給はだいたいどの施設でも同じで、ほぼ変わらない。一見すると職員不足のように見えるけど、それでも、最低限の人は集まっている。また、最低限の人を集める仕組みもある。そうであれば、やはり、時給も変える必要もない」

 

「キツくなったら、辞めて、次の施設にうつれば良い」

そう思えるのは、介護職としてある程度のキャリアをすでに積んでおり、経済的にも少なからず余裕のある一部の人たちだと思います。今事件の今井容疑者のように、キャリアも浅く、低賃金で働かされている場合は、そうもいかないでしょう。

 

 低賃金が故に、やめた後の生活資金を考えねばならず、そのタイミングを待つ間に、更なるストレスで押し潰されてしまうといった、悪循環のループ。

 

介護職に若い人も多くなってきた時代。きっと近いうち、このような事件は繰り返されます。長くなったので、解決策としての提案は、次回以降とさせて下さい。

 

Tomorrow never comes !     see,you!
(明日は必ずやってくるとは限らない→今日できることは、今日せよ!)